【人育てのプロが想う】繋がりを再生する、本音の話し合いとは。

執筆者 高山 雅樹(たかやま まさき)
Focus&Journey管理人 / 栃木県「花の木整体院」代表 / バスケットコーチ

「命を燃やして輝く人を応援したい」「かっこいい大人を増やしたい」整骨院の院長として、5万人以上の患者さんをサポート。治療家400名以上を指導。また、30年間バスケットコーチとして子供達のサポートも。人の変化・成長に携わることが中心にある人生。プロフィール詳細はこちら

「お金に依存すること」によって、「大切なことを人任せにし過ぎたこと」によって、

……社会から人間関係が失われていった

「人と人」「人と自然」「魂と肉体」そういった繋がりが失われたと、私は感じています。

わたしが30年以上スポーツ指導の中で人と接してきて分かったことは、外側から人を変えようとしても人は変わらないということでした。

どんなに良いアドバイスをしても、その人が本当に必要性を感じていなければ話を聞いてくれません。

でも変わりたいという意思が本人にある時なら真剣に話を聞いてくれるし、急に変化が起こることがあります。

正しいアドバイスよりも、手痛い失敗の方が何十倍も効果的なことがあります。

外からの見た目だけで、その人の気持ちの奥深くまで知ることは出来ません。

対話を通してその人が「今どんな状況にある」のか、「何を求めていて何を求めていないのか」を感じて、”丁度いい失敗”をさせられる距離感がとても大切だなって気付きました。

その際に欠かせないのが「話し合い(対話)」です。

  • 心が通っている感じがしない
  • 本音を伝えられない・伝えてもらえない
  • 話し合っているつもりだけれど……

そんな方は、一度「話し合う」ということを見つめてみませんか。今回の記事が相手を深く知ることはこんなに大切なんだなってことがお伝え出来たら嬉しく思います。

目次

「話し合い」とは

話し合いとは、人と人が「お互いを理解し合う時間」のことです。

その原点は、「言葉に出来ない感覚」や「言葉にしたくない感覚」「言葉には当てはめられない感覚」までを含めて、あなたを知りたいというアンテナのこと!

夫婦関係、親子関係、会社や学校の人間関係、地域やクラブの人間関係……。

わたし達は様々な関係性の中で、悩み迷いながら生活しています。

「あの人は何を考えているのか分からない」「価値観が違うからそもそも無理」「あいつムカつく……大っ嫌い」という経験は誰にもあると思います。

一方で、「本当は分かり合いたい……」というのが本音です。

話し合いは、相手を深く理解することができるだけではなく、自分自身の内側に気がつける機会となります。

それは、自分自身の内側(潜在意識)と外側(顕在意識)を「自己統合」する体験に繋がってます!!

話し合いは……
相手を深く理解すると同時に、自分自身の内側に気がつける機会。自分の内側と外側を、統合する体験。

「内側と外側」の分離・統合

自分のことは分かっているつもりでも、全く分かっていないということが良くあります。

自分が思っていること・言ってること・やってることが一致していないために、苦しんでいる人は想像以上に多いと感じます。

それが、内側と外側の分離。

例えば、

本当は仕事を辞めたい。

でも職場に迷惑をかけると考えると辞められない。仕事を辞めたら生活ができないと躊躇してしまう。本当の自分の気持ちには気付いてるのに。

試合に負けた後は、悔しいと言う。

けど、その後の行動は変わらない。口では上手くなりたいと言うけど行動が伴っていない。いつもどこかが痛くなったり、人のせいにしたり言い訳したりする。けれど自分の言動は省みないし、本気で向き合うこともしない。自分の気持ちは無視して、流されていることに気付けない。

“本当に”自分が成果を得たいと思っていたら、行動が一致する!

本音は辞めたいのに、本当はやりたくないのに言い出せずに苦しんでいることがある。

顔は笑っているのに、心が泣いていることもある。

口で言ってることと思ってることが一致しないと楽しくないから行動も変わらない。

この不一致感に気が付かせてくれるのが人との対話です。

本来の「話し合い」とは、こういった分離を統合に導きます。

自分の囚われや思い込みに気が付ける、相対の話し合いが面白い。

みんなが素直になって、感じあってる話し合いがとっても心地がいい。

自分の本音と出会い、自分の内側と外側が統合されていく「話し合い」は、心が癒される。

愛おしい自分との出会いは、幸福度を高めてくれるのを体感して欲しい。

分離→ 思っていること・言ってること・やってることが一致していない。

本来の「話し合い」は、こういった「自分の内側と外側」の分離を統合に導く。それはひとりだと気がつけない自分の「違和感(囚われ・思い込み)」を、相対の話し合いの中で見つけられるから。

わたし達は、なぜ話し合えないのか – ポイントは「不快」

では本音では分かり合いたいと思っているのに、なぜわたし達は話し合えなくなるのでしょうか?

それは子どものころから、学校や家庭の中でずっと人と比較をされてきたから。

いつも自分の意思とは無関係に、誰が優秀で誰が優秀じゃないかを評価されて、上下関係や劣等感の中で抑圧されてきたからだと思っています。

人は自分の危機的な状況下では、生存本能で不快を避けようとします。

生態の防御反応で反射的に「いかに自分が強いか、優れているか」を示さないと、怖くて安心出来ないんです。

だから責められると感じると怖くて、腹を割った話し合いが出来ないんです。

不安から護るために人を攻撃しちゃうし、自分を護るために何も言えなくなっちゃうんです。

話し合いができない原因は、人と比較され続け「劣等感・不安」の中にいるから。
自分を護るために、攻撃したり何も言えなくなったりと、腹を割って話せなくなる。

心の通う「話し合い」

まずは防御反応で身にまとった「鎧」を脱ぎ捨てて、今まで信じていた世界から飛び出して、

  • なんで、この人はそうせざるを得なかったのか?
  • どうして自分はそう考えるのか?
  • 何にイライラしているのか?
  • どういう不満なのか?
  • なんで、わたしにはこーゆーことが起こるのか?

を感じること。

そして、その気づきから「自分と相手を深く理解していく」ことが、相互理解のある温かい話し合いです。

自分を愛せなかったら、もちろん、他人も愛せない。

自分が分離していたら、もちろん、他人も受け入れられない。

自分と、他人の繋がり。自分の内側と、自分の外側の繋がり。

「自分の内側の世界が外側に現れているんだよ」って分かると、めちゃくちゃ生きやすくなります。

過去の経験で染み付いた境界線を広げたり、分離した壁を溶かしたりする「理解」は、愛でしかない!!

心の通う「話し合い」をするヒント

自分の「判断基準」で話を聴くことはしない

人の話を聴く時は、自分のことは一旦置いておく方がいい。

自分の判断基準に囚われていると人の話が聞けなくなる。
その人の考えが好きか嫌いか、合うか合わないかを先に考えてしまうと全ての話が受け取れなくなります。

人間は自分の受け取り方次第で見える世界を自在に変えてしまう能力がある。

見たくないものは見ないし、感じたくないものは感じない。

でも、不快をなくすことが対話じゃない!!

不快だから「他人に怒りをぶつけたり、何か別のことをやろうとする」んじゃなくて、グッととどまって、ただ痛いとか苦しいとか悲しいを感じ切る。

快・不快にただ反応する……で終わらせないで、

  • 相手の内側に何があるのか?
  • 相手の内側で何を感じているのか?

っていう所に踏みとどまって相手を感じてみてください。分かったつもりにならないで、一つひとつ丁寧に言葉以上のエネルギーを感じた時に受け取り方が勝手に変わっていきます。

相手の内側にある何が、外側の体験として創り出しているのか?

それが分かったら素直に人の話しが聴けるようになっていた。

知れば知るほど「分からない…」

分かる気にならない方がいい。

自分と他人はそもそも違う。”違うこと分からないこと”を受け入れることから始まる。

人が葛藤を起こす瞬間は「日々の生活の中に起きている人間関係・仕事・家族・会社など」、その人が日々体験していることと、その関係性の中に存在しています。

そして今までの経験や過去の情報を元に、「何が正しい、何が間違っているか」という価値基準が身についています。

人それぞれに個性があり、過去の体験や認識に違いがあるのに、「みんなが同じ基準で生きている、自分は全部わかっている」と勘違いしていると、認識の不一致からトラブルが発生します。

自分が信じている常識や自分だけの価値観を相手に押し付けたり、外側の世界を無理矢理変えようとしたりする。こうなると、人間関係は上手くいかなくなって顕在化してきます。

誰しも受け入れたくないものがあるから、嫌いだとか難しいとか理由をつけて、逃げようとしたり解決しようとしたりする抵抗の行動をするんだけど、そもそも相手のことは分からないという前提で話し合いをすることが心地いい対話の時間を作ってくれる。

自分の内側を整える

言葉を交わし合う「話し合い」をテーマにお伝えしてきましたが、人間の本質は「言葉にならない世界」にあります。

目には見えない痛みや、声にならない声。浮かんでは消えていく言葉。

自分の心と肉体のつながりや、自分の内側と周りの人達との関係性も、確実に繋がっています。

だから、自分の内側が整うと外側の流れも絶対に良くなります。

自分の個性や気付きや体感は、そもそも1つではないので、もっと多面的で多様で複雑であってもいいということです!

気付きって、どういうタイミングで起こるかって人によって違う……。

それは知識とか情報ではなく「自分が何に気付けるのか?」という自分についての理解であって、「あ〜、こういう事が自分の中にあるんだな」っていう認知です。

何が正しいか、何が間違っているか、という話しではありません。

抵抗するのを止めて自分のあるがままを感じて受け入れられるようになると、誰もが自分を慈しめる世界になっていって、誰もが本音で生きられる世界が創られていくと思ってます。

まとめ

心が通う話し合いによって育まれた「人々の信頼関係や結びつき」が増えて、良好な人間関係の総和はそのまま大きく広がり、社会になっていく。

信頼が担保されている関係性の中ではお金は要らない。

その関係性の土台を築いているのが「話し合い」です。

お金があれば人間関係がなくても取引ができるので便利だけど、お金や損得で繋がる関係性は持続可能ではないし、お金を使えば使うほど人間関係は育まれない。

社会の中心は、お金じゃなくてあくまでも「人間」です。

これからは

  • 「人と人」の繋がりを再生していくこと
  • 「人と自然」の繋がりを再生していくこと
  • 「魂と肉体」の繋がりを再生していくこと

に意識をおいて、顔の見える仲間たちと一緒につながりの中で生きていきたいと思ってます。

Focus&Journeyというコミュニティーでは、そんな想いを大切に育んでいます。

同じ想いの方と、どんどん繋がれたら嬉しいです。

最後まで読んでいただいてありがとうございましたm(_ _)m

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AUTHOR

【Focus&Journey管理人】たかやま まさき

1972年4月27日栃木うまれ / 栃木県在住 0型 
栃木県「花の木整骨院」の院長として、20年間で5万人の患者さんをサポート。治療家400名以上を指導。また、30年間バスケットコーチとして子供達のサポートも。人の変化・成長に携わることが中心にある人生。2019年、大好きな息子(当時18歳)との死別から新しいステージが動き出す。「命を燃やして輝く人を応援したい」そして、息子と思っていた「かっこいい大人を増やしたい」。人生の体験から得た宝物を後世に、伝え、残し、活かすことが使命。これからは、オンラインで人を健康にする。座右の銘は「人間万事塞翁が馬」。

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